看護業界の人材不足に向けた対策

看護師不足の現状は、この職業の重要性も相まって深刻な問題としてニュースでも取り上げられている。
人材不足と同時に連想されるのが、過酷な労働と責任感。人手が不足してくれば、当然1人あたりの仕事量と責任も増えてくる。仕事の過酷さは離職率の高さにも繋がるため、悪循環になることが予想される。

現在、国や病院側が充実した新人教育や心のケアを行うことで、高い離職率を低減させようする試みがなされている。また、離職した人達を呼び戻す取り組みもされている。

仕事の厳しさや家事に専念することを理由に離職してしまった、いわゆる「潜在看護師」と呼ばれる人達はかなりの数存在しているため、復職し易い環境を整えることは人手不足問題に効果的に作用するだろう。

そうした復職支援の一つに、「ナースバンク事業」というものがある。この事業は看護協会主導のもとに行われており、看護師資格を持っている人達の復職や転職についての相談を行うことができる機関だ。相談員も有資格者を配置しているとのことで、安心感も大きい。

事業所は全国の都道府県に設置されている。インターネットから利用できるサービスもあるため、自宅に居ながら求人情報をチェックすることができる点も便利だ。
こういった働く側に寄り添った政策や事業を発足させることで、看護の現場に人手を呼び戻すことに尽力しているのが現状だ。

また、看護師の離職者の呼び戻しのみならず、「看護師になりたい」と考える若者を増やすことも重要なポイントだ。看護師という職業がどれだけ素晴らしい仕事なのか、どんなやりがいを得られるのかを、もっと人々に示す必要があるだろう。