看護師がやりがいや充実感を持って生涯安心して働き続けるためには、専門職としてのキャリアが高められ、満足いく報酬がもらえることが必須だ。そんな中、病院では細かいキャリアアップ制度や賃金のあり方について色々と考えられている。
病院が人材の確保定着と活用をはかり、質の高い看護ケアを提供できるようにするためにも同様のことが必要だ。
超高齢化社会、医療の高度化が進む中で医療ニーズは確実に増大し続けている。2025年には約200万人の看護師が必要になるといわれている。現在の看護師数からすると、なんと50万人ほど足りていないそうだ。
そのため、やりがいにつなげ離職を防止する、復職支援などの総合的な対策の実施が看護業界に求められている。
看護職は、平均在院日数の短期化や患者の高齢化により業務量が増える中で、緊張感を維持しながら一人ひとりの患者と向き合い看護業務にあたっている。
その業務内容もより高度化し、複雑化するとともにチーム医療や地域医療の推進により多職種連携としてのコーディネーターの役割も期待されているのだ。
そのようにキャリアの選択肢が充実する一方で、その処遇は十分であるとは言えず、不満をもつ看護師も少なくない。決してお金のためだけに働いているわけではなくても、賃金は仕事への報酬と社会からの評価であり、看護職が果たしている役割や責任の重さ、勤務負担に見合ったものでなければならない。
今、働いているスタッフがやりがいをもって働き続けられるためにも、また、若者に魅力がある職業として認められるためにも、国全体を挙げて賃金処遇の問題に正面から取り組むことが必要だ。